量子物理学が私たちの日常に近づいている

応用物理学の中でも、特に注目されているのが量子物理学の応用です。量子物理学は、原子や電子といったミクロな世界の現象を扱う学問で、一見すると私たちの日常とは無縁のように思えます。しかし実際には、量子の世界から生まれた技術はすでに私たちの生活に大きな影響を与えています。

例えば、スマートフォンやパソコンに使われているトランジスタは量子力学を基に発展しましたし、GPSの正確な位置測定も量子理論による時間計測が支えています。

私の研究「量子センサーの開発」

私が現在取り組んでいるのは、量子センサーの研究です。量子センサーは、量子力学の原理を利用して、従来のセンサーを超える感度で物理量を測定する技術です。例えば、磁場や重力、電場などの極めて微弱な変化を検出することができます。

この技術の応用分野は非常に広範囲です。医療分野では、量子センサーを使って体内の微細な変化をリアルタイムで観測することで、早期診断や治療に役立つ可能性があります。また、防災分野では、地震の兆候を従来よりも早く検知することが期待されています。